今日は選ばれる薬局なんて存在しないよ。
って話をしてみたいと思います。
地域の方々に選ばれる薬局を目指す
みんな大好きですね。
地域の方々に選んでいただくにはどうすればよいのか?
日々議論しまくる薬局もありますよね。
でもそれ意味ないですから!
ちょっと過激な発言で申し訳ないです。
理由を説明しますね。
薬局に行列ができる事は絶対にない
さて、みなさんは薬局に行列ができてるところを見たことがありますでしょうか?
大人気の薬局で外まで人が並んでるそんな薬局ですね。
コンビニより薬局の方が多いんですよ?
一店くらいあってもいいのではないでしょうか?
でも私はみたことがありません。
なぜなら処方箋ってどこに持って行っても出していただけるお薬は一緒だからです。
これは前の話で詳しく話しましたよね。
読んでない方がいましたら
「薬剤師は自信がない」ってタイトルで記事がありますので読んでみてください。https://yakusai1122.com/%e8%96%ac%e5%89%a4%e5%b8%ab%e3%81%af%e8%87%aa%e4%bf%a1%e3%81%8c%e3%81%aa%e3%81%84%ef%bc%81/
患者さんにとって究極どこの薬局も一緒です。
見た目が違っても処方箋に書いてあるお薬を渡してくれるからです。
では患者さんは一体何を「選んで」いるのでしょうか?
その前にちょっとだけ考えてみましょう
患者さんの目的地は何処?
その前に患者さんは病院で処方箋を渡された後一体どこを目指しているかわかりますか?
それは薬局でしょ?って答えが返ってきそうですがそこが間違いなのです。
いいですか、ここが重要です。
患者さんは薬局を選んで目指しているわけではありません。
目指しているのはその先です。
わかりますか?
例えば家に帰る、買い物をする、職場に戻る
その途中にある薬局に仕方なく処方箋を持ってきているだけなんです。
いや、そうじゃない
うちは薬局として素晴らしいサービスを、医療を提供しているから患者さんが来てくれてるんだ
って意見もあるでしょう。
でも残念ながらそうではありません。
腕の良い薬剤師って存在する?
みなさん腕の良い薬剤師って存在するでしょうか?
そう、存在しますね。
腕の良い医師、腕の良い歯医者、腕の良い薬剤師すべて存在します。
ですが医師や歯科医師に比べて大きな違いが一つあります。
医者は腕がよければ病気を早く治せますね。
歯医者は腕がよければ痛くなく治療できるでしょう。
では、薬剤師はどうですか?
勉強量、努力量だけなら医師にも引けを取らないくらい勉強しているって方はたくさんいらっしゃいます。
すごく知識量豊富な薬剤師さんを何人も知っています。
ですが患者さんが持ってきた処方箋通りの薬を出すことに変わりはありません。
凄腕の薬剤師がお薬を渡しても、普通の薬剤師がお薬を渡しても患者さんには同じですね。
ここに患者さんが薬局をえらんでいない理由があります。
患者さんが選んでいるのは「時間」
お薬を渡してもらうだけ。
どこでも一緒、じゃあ患者さんは何をえらんでいるの?
そう、何を隠そう患者さんが選んでいるのは「時間」です。
患者さんが目指しているのは
家の近く
買い物で便利な場所
職場の近く
次の目的地に行くのに便利な場所、時間がかからない場所
それだけです。
こんな言い方をしては身も蓋もないので申し訳ないのですが
あなたが素晴らしい薬剤師だからでも、素晴らしい医療を提供しているからでもありません。
ただ近いから、便利だから。
ただそれだけなのです。
是非確認してみてください
それでも信じない人もいると思います。
なので患者さんに聞いてみるのも手です。
何故当薬局を選んでいただけたのですか?
質問はこれなので簡単ですね。
自分に置き換えるとよくわかる
そんなわけないって意見がまだ収まらなそうなのでもう一つ
あなたは遠くにあるコンビニにわざわざ行きますか?
家の周りにはたくさんのコンビニがありますね。
ローソン・ファミリーマート・セブンイレブンetc
どうでしょう?まずは家の近くのコンビニに行きませんか?
めちゃくちゃ店員の接客がいいからうちの近くにファミリーマート3店舗あるよ?あるけどいくよ
20キロ先のファミリーマート
こんな人いませんね。
コンビニはいいのです。売ってる商品も違うし、スペースによる品揃えも違います。
各社しのぎを削って新製品を開発しています。
そういった点は選ばれる理由になりますね。
でも調剤薬局はどうでしょう?
それすらもないのです。
それが悪いとは言っていませんよ。
むしろいいことです。
日本全国どこの薬局でも同じお薬をいただけるのですから。
結局何が言いたいの?
そんなに薬局を貶めてお前は何が言いたいんだっていわれそうですが。
別に私は薬局を否定するつもりは毛頭ありません。
むしろお仕事させていただいてとっても感謝しています。
でもこれだけは言いたいのです。
お願いだからもうやめて
「地域の患者さんに選んでいただくにはどうすれば?」
その問題提起もうやめませんか?
それ考えても時間の無駄ですよ。
みんなで集まって会議したり、社内報みたいなものを書いたり
薬局は場所です。
場所が全てです。
場所が悪ければどんなに良いサービスを提供しても患者さんは来ません。
どんなに良い医療を提供しようとしても薬局という枠組みの中では患者さんにとっての変わりはありません。
それに過剰なサービスは法によって規制されてるので、できません。
このことを課題にしている薬局が多すぎる
本当に多いです。
それで成績つけたりしています。
でも考えてみてください。
患者さんは薬局による医療提供の中身を選んでないんですよ?
薬局で処方箋の枚数が増える理由は患者さんが選んでくれたからじゃありません。
そう思いたくなる気持ちはよくわかります。
医療人ですし、人々を健康にしたいです。
笑顔になってほしいです。
私もそう思ってましたし、どうすればいいのか必死に考えましたから。
でも現実的に処方箋の枚数が増えるのは病院に受診した患者の数が多かったから。
ただそれだけです。
別に100キロ先からあなたの薬局を選んで患者がくることはありません。
どう活かすの?
お前が言いたいことは分かった。
だからそれで、何なの?
っていわれそうですがみんなに伝えたい本題はここです。
売上とか気にしてもしょうがない。
私たちは売上が上がったら評価されるし、下がったら評価されませんね。
でも薬局というビジネスにおいてはその指標は私たちの影響の範囲外にあるのです。
できることは
- ミスをしないこと
- 患者さんに失礼な事や嫌がることをしないこと
程度です。
たとえばあなたが患者さんに片膝ついてお茶を差し上げても処方箋の枚数は変わりません。
あなたが片膝ついて処方箋を受け取ったからってほかの薬局を無視して遠くから患者さんが来ることはありません。
当たりの店舗に行けばすごい売上をたたき出すし、外れの店舗に行けばまったく売上はたちません。
なのであなたの成績に売上が組み込まれてるとしたら無視してかまいません。
成績の比率が大きいような会社はあたりの店舗にいるならつづけた方がいいですし、外れの店舗にいるならすぐやめた方がいいです。
頑張っても評価されないと、本人が気にしていなくても脳には大きなストレスになります。
まとめ
- 店舗の売り上げはどうすることもできないので気にしない。
- 売上での業務評価も気にしない。
- 薬局は場所が9割なので「地域の人々に選ばれるにはどうしたらいいか?」って議論してもいいけど、影響の範囲は極小
- どんなサービスを展開してもほぼ誤差レベル、時間の無駄
- ちなみにほぼあり得ないですけど、他が革新的なサービスで集客できるようなら真似すればOK
- 当たりの店舗ならつづけた方が得だし
- 外れの店舗なら転職した方がいい。
- 可能なら売上が成績に反映されない会社に行く方がよい
本日は以上です。
みんな自分でコントロールできないことで悩んだり、ギスギスしたりする事が多いのでよかったら参考にしてみてください。
面白いなと思ったらブックマークをお願いします。
コメントも随時お待ちしております。